zap,zap,zap
TVモニタのブランク、ノイズ。
上空からのスプリンクラーの雨によって目を覚ます。
34地区に出撃した“ロゼッタ”は作戦開始から200分経過したところで撃墜された。
周囲には街の残骸。
死ぬほどに窮屈な機動ヴィークルのコックピットのモニタの片隅で、液晶パネルがAM2:00を指していた。
ロゼッタはその小柄な軀には不釣り合いの大きさのリボンを不快げに揺らした。
周囲は暗い。
彼女の瞳はおよそ闇夜という脅威から無縁であったけれど、この時間帯は気が塞ぐ。
それは周囲の廃墟がまるで自分の一部、いや自分が廃墟の一部になってしまったのではないかという“あの感覚”に似ている。
機体の残骸から這い出すと、横殴りのビル風が少女の長い銀色の髪とスカートをはためかした。
軀からは接続されたコード類が血管が触手のようにヴィークルに延び、それはさながらヴィークルという人体の心臓が直接体外に摘出されたかのようだ。
事実、彼女は心臓部であった。
対コーポーレート製機動兵器群に対抗するために作られた、不格好で頑丈な機動兵器の、その最もヤワで重要な生体パーツとして、少女は埋め込まれていたのだった。
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